WILLCOM WX310K の電話帳を docomo FOMA P-03A に移す

WILLCOM を解約し docomoFOMA P-03A を新規契約したのですが、ドコモショップでは WILLCOM WX310K の電話帳を P-03A に移せない、といわれてしまいました。まあ、仕方がないですよね。手入力で全部移すのは面倒なので、以下の4ステップで移してみました。

  1. H"問屋WX310K から電話帳データを csv 形式でファイルに保存。
  2. 抽出したデータを perl スクリプト (後述) で、ケータイデータお預かりサービス でインポート可能な書式に変換。
  3. ドコモの「ケータイデータお預かりサービス」でインポート。
  4. P-03A でインポート。

ちょっと面倒ですが、これでうまくいきました。以下で詳しい手順を説明します。

用意するもの

手順

免責: 以下にこちらでうまくいった方法を掲載していますが、これでうまくいくことは保証しません。また、いかなるデータの喪失や機器の故障について、責任は負いかねますのですべてご自分の責任で操作してください。

WX310K USB ドライバの入手とインストール、WX310KのPCへの接続

WX310K 付属の CD-ROM に収録されていますのでインストールします。なくした場合は WX310K USBドライバ からダウンロードできますが、あらかじめユーザIDとパスワードを WX310K で取得しておく必要があります。

WX310K を USB ケーブルで PC に接続します。WX310K がストレージとして振る舞うかどうか聞いてきますが、シリアルデバイスとして認識させたいので無視します。

H"問屋のダウンロードとインストール

H"問屋をダウンロードしてインストールします。インストーラの最後に「標準外字ファイルを書き換える」かどうか指定する箇所がありますが、今回は必要ありませんのでチェックを外します。

H"問屋で WX310K から電話帳データを csv 形式でファイルに保存

H"問屋を起動させます。動作環境 には含まれていない Windows 7 でも起動しました。

環境設定ダイアログが表示されます。「自動選択」ボタンをクリックして、COMポートが自動的に認識させます。ここで失敗する場合、ドライバが正常にインストールされていないか、WX310K が正常に接続できていない可能性があります。OKをクリックしてダイアログを閉じてください。

電話帳データを吸い出します。「電話帳」をクリックすると電話帳ウィンドウが表示されます。「ファイル」→「受信」で、WX310Kから電話帳データがインポートされます。「ファイル」→「CSVエクスポート」で適当なファイル名で保存してください。ここでは address.csv としてデスクトップに保存しました。

H"問屋を終了させ、WX310K を PC から取り外します。

perl 実行環境の準備

Padremsiインストーラでインストールします。再起動を促されるので、再起動します。

電話帳データの変換

以下のような perl スクリプトを作成しました。script.pl としてデスクトップに保存します。

#!/usr/bin/perl

use strict;
use warnings;

my $line="";
my @list=();
my $tmp="";
my $i=0;
my $init=0;

while ($line=<STDIN>) {
    if ($init == 0) {
        $init=1;
        next;
    }

    @list=split(/,/,$line);
    # 3-9
    for ($i = 2; $i <= 8; $i += 1) {
        if ($i > 2) { printf ","; }
        $tmp=$list[$i];
        $tmp=~s/\"//g;
        $tmp=~s/.*: //g;
        printf "\"%s\"", $tmp;
    }
    # 11-15
    for ($i = 10; $i <= 14; $i += 1) {
        $tmp=$list[$i];
        $tmp=~s/\"//g;
        $tmp=~s/.*: //g;
        printf ",\"%s\"", $tmp;
    }
    # padding
    printf ",\"\",\"\",\"\",\"\",\"\",\"\",\"\",\"\"\n";
}

このスクリプトは、H"問屋が出力したCSVファイルをドコモの「ケータイデータお預かりサービス」でインポート可能なCSVファイルに変換します。

それぞれのファイルの書式は以下の通りです。

  • H"問屋が出力した CSV ファイル
    • 各列のデータ種別: グループ,種別,名前(漢字),名前(カナ),電話番号1,電話番号2,電話番号3,電話番号4,電話番号5,電話番号6,メールアドレス1,メールアドレス2,メールアドレス3,メールアドレス4,メールアドレス5,メールアドレス6,シークレット
    • フリガナは半角カナ
    • 文字コードSJIS、改行コードはCRLF
  • ドコモの「ケータイデータお預かりサービス」でインポート可能なCSVファイル
    • 各列のデータ種別: "名前","ナマエ","電話番号1","電話番号2","電話番号3","電話番号4","電話番号5","メールアドレス1","メールアドレス2","メールアドレス3","メールアドレス4","メールアドレス5","メモ","誕生日","1234567","住所","http://homepage","ニックネーム","会社名","役職名"
    • 各列のデータは必ずダブルクオートで囲まれている必要がある。
    • フリガナは半角カナ
    • 文字コードSJIS、改行コードはCRLF
    • 絵文字等は不可?

変換してみます。コマンドプロンプトを開きます。Windows 7 の場合は以下のようになります。

Microsoft Windows [Version 6.1.7600]
Copyright (c) 2009 Microsoft Corporation.  All rights reserved.

C:\Users\k3k1>

以下のようにしてカレントディレクトリを Desktop に変更し、perl スクリプトを実行します。

C:\Users\k3k1> cd Desktop

C:\Users\k3k1\Desktop> perl script.pl < address.csv > converted.csv

デスクトップに converted.csv が作成されれば OK です。コマンドプロンプトは閉じてください。

ケータイデータお預かりサービスを My docomo から利用可能にしておく

ケータイデータお預かりサービスはドコモの携帯電話の電話帳をドコモのサーバに保存したり、PCで作成した電話帳をドコモのサーバを経由してドコモの携帯電話に転送することができるサービスです。今回はこの機能を使います。ケータイデータお預かりサービスは単体でも契約できますが、iコンシェルにも含まれています。iコンシェルは契約後1ヶ月は無料、以降210円(税込み)で利用できます。

My docomo は、PC で利用料金の確認、料金プランの変更、ケータイデータお預かりサービスなどの利用ができるサービスです。あらかじめ、アカウントを発行してもらう必要があります。今回は新規契約時に発行してもらいました。

「ケータイデータお預かりサービス」はデフォルトでは My docomo から利用できないように設定されています。My docomo から利用できるようにするには、以下のページにかかれている手順で設定しておく必要があります。

ケータイデータお預かりサービスでインポートする

My docomo にログインし、「あんしん・便利サービス」→「ケータイデータお預かりサービス」→「お預かりセンターへ」→「電話帳を確認する」→「利用する」→「インポート・エクスポート」→「インポート」と進むと、「電話帳のインポート」というウィンドウが開きます。「参照」をクリックして、デスクトップに作成された converted.csv を選択し、「開く」をクリックします。「実行」をクリックすると、インポートが開始されます。

先ほどのスクリプトでの変換に失敗している場合や、WX310Kの電話帳で名前に絵文字などを設定していると、インポートできない旨が表示されます。メモ帳などで converted.csv を開いて確認してください。ExcelOpenoffice.org の Calc で開いて保存すると、インポートできない CSV ファイルになりますので注意してください。

P-03A でインポート

[MENU] → [LifeKit] → [電話帳お預かりサービス] → [お預かりセンターに接続] とすると、My docomo でインポートした電話帳が電話機にダウンロードされます。